こんばんは、ひろです
・建築学科に進学するけど、いまいちどんなところかわからない…
・建築学科、気になっているけどどんなところなんだろう?
と思っている人たちも多いのではないでしょうか。
今回は大学・大学院で建築を専攻していた私が建築学科がどんなところかについて紹介していきます!
建築学科で勉強すること
「建築学科って何を勉強をしていると思う?」と聞いたとき、多くの人が「建物の内装や外装のデザインについて勉強している」と答えるかと思います。
確かにそれも、建築学科で勉強することの一つです。
ですが、実際にはもっと多くのことを勉強しています!
例えば、
・建物が崩れずに、安心して使えるための構造
・建物の中で快適に過ごせるための環境や設備
・建物の内外装に使われている材料や仕上げの種類
構造や材料、環境といった工学的な部分
法規や都市計画といった社会的な部分
歴史や意匠といった文化的・芸術的な部分
建物を構成するために必要なこれらの要素を建築学科では学びます!
文系や理系と言い切れない、かなり特殊な分野です。
それゆえに、他の分野に比べて幅広く学んでいく必要があります。
学ぶ内容を大きく分類すると、建築計画、建築構造、建築環境・設備、建築材料、建築史の5分野!
(細かく分けると都市計画や建築法規、建築構法などまだ増えます)
5分野について説明すると
1.建築計画
多くの人が思い浮かべる建築のイメージにあたる教科
設計を行う上で、より快適な空間を作るための基礎的な知識を学びます!
設計課題を通して内装や外装のデザインなどをひたすら考え、図面の表現方法や3D CADの操作方法、模型製作、プレゼンテーション能力などを身につけていきます!
(学生生活が忙しくなる原因は設計課題!明確なゴールもなく、いつまでもやれてしまう…)
2.建築構造
建物に加わる力(地震や台風、雪など)に対して建物が崩壊しないように保つことが建築構造の役割です!
建築構造では様々な構造形式や構造材料勉強したり、建物どれだけの力が加わっているのかを計算する構造力学についても勉強します。
3.建築環境・設備
建築環境では日照や風、湿度などの外部環境が建築空間にどのように影響していくのか、その関係性や原理などについて学びます!
また建築設備では、照明や電気、給排水、空調などの建物空間をより快適にするための設備やその設備の仕組みについて学びます。
4.建築材料
建物の内外装に使われる材料や建物ができるまでの過程を学びます!
基本的な建築材料の種類や特徴について学びます。
他にも施工方法について学んだあとに、実際の現場でどのように施工が行われているか見学しに行くこともあります!
実際にコンクリートを調合したり、打設したりもしました!
5.建築史
建物のデザインや構造の歴史や建築思想について学びます!
・西洋&日本の建築の歴史
・どのような建築思想のもとでどんな建物が設計されたのか
についても勉強します。
この分野の知識があると、神社・お寺巡りをより楽しめるのでおススメです!
流れとしては、建築学科に入って
1年前期から2年前期までに一般教養と専門科目の基礎的な部分
2年後期から3年前期までは専門科目の知識をより深めていく
3年後期からは自分の興味のある分野をさらに深めていく
という感じです。
建築学科の学生生活
建築学科の学生生活というと「ブラック」だとか「闇が深い」というネガティブな印象を持たれがちです。
ですが、学生生活を過ごしていた立場からすると、周りが思うほど「忙しい」と感じることは少なかったです。
(それでも忙しいことに変わりはないですが…)
ただ、設計課題の提出直前とかは「ブラック」だと言われてもしょうがない生活でした。
模型やプレゼンシートの作成で、朝早くから終電ギリギリまで大学で作業したり、大学に泊まり込みで作業したりする人もいました…
(そんなことをせずとも高いクオリティーの作品を作る人もいるので、そこはご安心ください)
それでも、全然サークルやアルバイトもできますし、日程を調整すれば旅行に行くこともできます!
ただ、将来設計やデザインで活躍したい人は研究室や学外のプロジェクトに参加したり、設計コンペに挑戦したりと忙しく過ごしています。
(バイトはせずに、設計コンペだけで数百万稼いでいる先輩もいました…)
自分自身も施工や設計のプロジェクトに何度か参加したり、OBにお願いして設計事務所でインターンシップやアルバイトしたりしていました。
そんな中でも、授業と課題、サークルをどうにか両立させ、3週間ほどイタリアに行ったり、日本全国いろんなところへ有名建築を見に旅行へ行ったりできていました!
建築学科のメリット
1.たくさんのスキルを身につけることができる
設計課題を進めていく中で、様々なソフトを使うことになります。
使い方を覚えるまではつらいかもしれませんが、最終的には多くのスキルを身につけられます!
身につけたスキルはWordやExcel、PowerPointなど基本的なITスキルに加えて、CADでの図面作成、3DCGの作成、模型の制作、illustratorを使ったデザイン、Photoshopでの画像編集、こだわりを持って写真やパースを切り取る力、コンセプトを決めてそれを文章や絵で表現したり、プレゼンを組み立てる能力など豊富です。
2.たくさんの仲間ができる
忙しい日々を送る中で、『戦友』と言っても過言でない仲間ができます!
これに関しては全ての学科・分野の中で1番だと感じます。
苦しみながらも毎日設計課題に取り組んだことは振り返ってみるといい思い出です。
提出直前の焦りと寝不足による謎のハイテンションにまみれたカオスな空間は特に印象に残っています。
そんな濃密な時間を共有する分、ただの同期とは違う『戦友』とも呼べるような強い絆が生まれます。
学科内の全員と交流があるのも、他学科にはない魅力です。
3.日常をより楽しむことができる
建築物はどこにでもある分、建築学生はどこでも楽しむことができます。
街中にある建築物を見ながらデザインについて考えたり、有名な建築作品を見に行っては『ここのデザインはどうこうだとか』と友人たちと議論することもあったり。
特に建築史を勉強するとより楽しさは増します!
旅先でお寺などに行った時も学ぶ前と学んだあとではものの見方が変わり、旅行の楽しみも倍増です!
まとめ
今回は建築学科について紹介してきました。
正直に言って、建築学科は忙しいし、過酷で、他学科とのギャップに苦しむこともあります。
生半可な気持ちで入ったら、後悔するだろう…
建築を愛することができなければ、やっていけないだろう…
私も幼少期に見たテレビ番組をきっかけに建築に興味を持ち、好きになり建築学科に進学しました。
ですが、途中でつらくなり、嫌いになったこともありました。
それでも、好きという気持ちを原動力にどうにか乗り越え、今では建築が楽しくてしょうがないです!
大事なのは建築が好きな気持ちと忙しい日々を送る覚悟
それさえあれば戦友と呼べる仲間たちとかけがえのない有意義な時間を過ごすことができます!
建築の沼にどっぷりハマると、楽しくてしょうがないです。
建築の世界でお待ちしております。
ではまた
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