静定構造物と不静定構造物ってなに?

構造力学

構造力学には「静定・不静定」という概念があります。
今回は、それぞれの特徴や見分け方について解説していきます。

構造力学のキホンとなる、とても重要な内容です!

静定構造物・不静定構造物」とは何なのかを理解して、今後の学習に活かして下さい‼

それではいきましょう~♪

構造物の種類

まずは構造物の種類から解説していきますよ!
構造物をその性質ごとに分類すると次の図のように分類されます。

大きく分けると「安定構造物」と「不安定構造物」の2種類に分類されます。

普段、街中で見かける建物は力学的に成立している「安定構造物です。
反対に力学的に成立・安定していない構造物が「不安定構造物です。

さらに、「安定構造物」は「静定構造物」と「不静定構造物」に分類できます。

静定構造物

静定構造物力のつり合い条件式(ΣH=0, ΣV=0,ΣM=0)を解くと、反力・応力を求められる構造物のことです。
基本的に反力数が3つ以下安定構造物は「静定構造物」と考えて大丈夫です
ただし、例外もあるので注意してください! (ex. 3ヒンジラーメン 反力数:4 )

静定構造物」の特徴は、片持ち梁や単純梁などのシンプルな構造が多いことです。
そのため、応力が明確であることも特徴です。

ただし、シンプルな構造なのでチョットでも拘束条件を緩めると不安定構造物へと変化します。
なので、静定構造物」は「ギリギリ不安定にならない、シンプルな構造と言えます!

不静定構造物

不静定構造物」は力のつり合い条件だけで、反力・応力を求められない構造物のことです。
反力・応力を求めるには力のつり合い条件に加えて、変形に関する条件も必要になってきます!

不静定構造物」は、力学的な安定のために必要以上に多くの反力もしくは部材が存在しています。
そのため、構造物の一部が損傷してもすぐに崩壊しないことが特徴です。(崩壊するまでの余裕度が高い

さらに、「不静定構造物」は、反力が余分な「外的不静定」と部材が余分な「内的不静定」に分けられます。

静定・不静定の見分け方

静定構造物」と「不静定構造物」では反力・応力の求め方が違うことがわかりました。

つまり、反力・応力を求めるには最初に「静定・不静定」を判別することが重要です。

反力数力のつり合い条件式の数 が成り立てば「静定構造物」、そうでなければ「不静定構造物」と判断できます!
ですが、慣れるまでは判断に時間がかかるでしょう。

そこで、ここからは構造物の安定・不安定静定・不静定を判断する方法を紹介していきます。
下の判別式を使うことで構造物の種類を判断できます!

判別式の結果

 m < 0 のとき  不安定構造物

 m=0のとき  静定構造物

 m > 0 のとき  不静定構造物

と判断できます。

不静定だと m の値を不静定次数といい、m次の不静定構造物と呼びます。

カンタンに構造の種類を見分けられる判別式ですが、違う結果が出ることもあるので注意してください!

まとめ

今回は、「静定構造物」と「不静定構造物」について解説しました。

構造力学のキホン中のキホンである、重要な内容です!

静定・不静定をマスターして、今後の学習に活かしてくださいね!

判別式の使い方については別の記事で例題を交えながら詳しく解説していきます!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
こんな内容について、書いてほしいといった要望があればぜひコメントお願いします!

ではまた。

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